
VOXATIV T-211 OT
ドイツ、ベルリンで立ち上がったVOXATIVは2008年にバックロードホーン型スピーカーシステムを世に送り出し、Stereophile誌のProducts of the year 2011 での最高賞を獲得するなど、一躍その名を世界に知らせます。そのスピーカーはしばらくの間弊社の6Fで見事に再生されていまして、製作者に聴いてもらいたいくらい美のある音でした。その、自身のスピーカーを鳴らすアンプとして発表されたのがこちらの製品、T-211 OT モデル。型式通り三極管211のシングル構成、14W/chのステレオインテグレーテッドアンプとなります。100dB(16Ω)という高能率の自身のスピーカーを鳴らすには14W/chの出力は十分過ぎる程、音色に拘った気持ちがこのかたちなのだと思います。
残念ながらVOXATIV Ampeggio Signature は現在ありませんが、高能率スピーカーは当フロアーにもありましてこれは組み合わせるのに最適な Avangarde Trio & 2 Basshorn 。VOXATIV T-211 OT の実力を見るには十分に大型な高能率スピーカーですね、きっとこの組み合わせで再生するのは他ではないはずと思いながら電源を入れて少し待ちます、再生機器は LINN KLIMAX DS/K。大型のボリュームつまみをゆっくり回していくと、どこまでも音量を上げたくなるような感触、ついつい気持ちよくてかなりのボリュームになっていた事に気付いて少し戻して止めました。Miles Davis / So What を再生、TRIO のバスホーンからは足元から体を包むようなポール・チェンバースのベースライン、それにエヴァンスのハーモニーが心地良過ぎてイントロから言葉少なに聴き入り、あっという間に Flamenco Sketches まで。
T-211 OT の「OT」とはトランスを特別仕様にしたバージョン、OT は「オオタトランス」の略で日本のトランスを使用しているのです。試聴したのは「OT」バージョン。
久しぶりに、短い時間の試聴にも関わらず濃厚かつ味わい深い時間を過ごせました。

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