
Serblin Ktema
少し遡りますが、LINN Katalyst アップグレードが行われた KLIMAX EXAKT 350 の期間再生を先週の1週間行いました。フロアーでの試聴時間は限られましたが、それでも聴きたい演奏や再生したい曲は出来るだけ聴いてみたつもりです、閉店後も時間を作ってみました。特に閉店後の時間に再生したいくつかの曲にはちょっと、どころではない興奮を感じたものがいくつかありました、閉店後の時間には時々こういった瞬間が訪れるので油断ができません。。。この KLIMAX EXAKT 350 試聴の感触などはまた整理してここで記録しておきたいと思います。
LINN KLIMAX EXAKT 350 の試聴期間が終了してもとのシステムに戻しました、Franco Serblin Ktema をスピーカーに Audio Research 、LINN AKURATE LP & KLIMAX DS、LUXMAN D-06u 。このシステムが紡ぐ再生の時間が特別なものに感じるのには、システムを組み上げた当初よりも今、きっと今より明日の方がその感触は強くなるのだと思います。

ハイエンドオーディオの世界には優れたスピーカーがいくつもあります、それらは機能や性能に長けたものから趣向性に富んだものまで様々。現在生産と販売がされている製品に思う感触より時間が経ってその歴史を振り返り改めてその製品の素晴らしさを思い知る時もあり、もちろん販売されている現段階でその製品の最大の魅力を感じる事もあります。Franco Serblin Ktema というスピーカーは後者になり間違いなくスピーカーの歴史に大きく名を残す製品、今更言うことでもないですし、もうすでにその歴史は刻まれ続けているのですが。

先日から少しずつ Ktema の紹介を続けています、このスピーカーの大きな特徴とその魅力はやはりキャビネットデザインとユニット配置の構造にあると思います。特に背面のウーファー2基のレイアウトとその空気の流れのコントロール、キャビネット背面をホーンロード型として左右のスリットから放出、合わせて背面のスリットからも微調整を行っています。このボトムラインの音調整はホーンロード型をとっているといっても非常にタイトで引き締まった音を聴かせてくれます、ともすれば弦の集合体においては時にふくよかで包み込むような表現さえ魅せてくれる贅沢さ。反対に機械的な打ち込みのキックやスネアなどのエッジが立った音でも硬質さをそのままにディテールをまるで触れるかのように聴かせてくれます。


プリアンプ、パワーアンプともに真空管でのシステムとなりますが、Audio Research は Ktema との相性がとても良いと感じます。LINN KLIMAX DS/3 での再生でブルックナー 交響曲 第7番での2楽章を聴いた時、こんなにもスピーカーに似合っている再生で聴けた事はないと感じるくらいでした。
