Focal Scala Utopia Evo
スプリングフェスティバルでの3F試聴会は4つ、そのうちのひとつは FOCAL Scala Utopia Evo を2種類のシステムで再生する時間をご用意しました。Scala Utopia Evo のフロアー展示をスタートしたのが昨年末12月初旬頃、このスピーカーだけを鳴らし続けるわけにはいかない状況なのでフロアーでのエージングには時間を要しますが、数ヶ月経過して新品開梱時のエッジの強い音も解れてきた頃です。今回は LUXMAN と LINN それぞれのシステムを組んで Scala Utopia Evo をお楽しみ頂きました。
System 1
LUXMAN:D-08u
LUXMAN:C-900u
LUXMAN:M-900u (2台/BTL接続)
前半は LUXMAN でのシステム、LUXMAN のフラッグシップラインを組み合わせてパワーアンプは2台のBTL接続、SACD、CD、PCからのUSB接続にてそれぞれ再生を行いました。
再生した曲の中で思い出すと、SACDでの Pres and Teddy / All Of Me、普段自宅ではレコードでの再生で聴いていますが、今回 LUXMAN と Scala Utopia Evo で聴いたSACDでの再生は新鮮でジョー・ジョーンズがテディ・ウィルソンに合わせてスティックからブラシに持ち替える曲の流れや楽器の感触がしっかりと伝わってきました。Gil Shaham と Goran Sollscher での Paganini / Grand Sonata はシンプルでゆったりとしたリズムが想像する演奏の雰囲気静そのままに再生できたように思います。
System 2
LINN:KLIMAX LP12
LINN:KLIMAX DSM
LINN:KLIMAX TWIN
後半はシステムを変更して LINN と組み合わせました、KLIMAX DSM でのデジタルと LP12 でのレコード再生。再生した曲の中では Albeniz / Suite Espanola から Asturias をLP12でのレコード再生、曲自体がなかなか強力で厳しい音も相当に含まれているのですが Scala Utopia Evo はボトムの量感にゆとりがありこの演奏も安心して聴く事ができました。The Scene Changes Bud Powell からは Cleopatra’s dream、LINN DS で再生できるようになった DSD(2.8mhz)での再生、ブルーノートでの58年録音はアート・テイラー、ポール・チェンバースとの強力なトリオで曲を押し進めていきます。曲中盤、バド・パウエルの右手が一番高くなる頃の熱気は高能率のスピーカーならではの美味しさだったと思います。
どちらのシステムでも Scala Utopia Evo そのもののパフォーマンスの高さは十分に感じる事ができました。LUXMAN のシステムではエッジの強い表現がよく感じられるシステムになるのですが、それがキツさではなく芯の強さのように感じられて演奏にのめり込んでいくようでした。LINN のシステムでは少しそれが落ち着くようで、全体のバランスに見事さがあり楽器数の多い演奏がこれだけ安心して再生できることに驚きました。
2つのシステムで2時間、様々な曲を再生して Scala Utopia Evo の表情を見てみました。派手な音はしませんが、色鮮やかで何よりボトムの広がりが豊か、これは FOCAL のスピーカーに特徴的なものだと改めて感じています。そして高能率、レスポンスの良さを抱えた大型スピーカーとしてはアンプ選びも自由度が高く時間をかけて楽しめる、鳴らしがいのあるスピーカーなのだと思います。
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