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Audio & Music

Turnberry/GR

台風最接近とアナウンスされた日、ご納品は延期かと思いきや嵐の前の静けさを感じつつ練馬区のF様宅へスピーカーの納品へ。Tannoy 初代 Stirling を Mclntosh C34V と MC2500 の組み合わせで長らく楽しまれてきました。Stirling のウォールナットは使用した時間と共に深い色味に変化し、独特のコルクバッフルとの相性が実に雰囲気のある美しい佇まいに仕上がっています。専用スタンドと共に大切に使われてきた様子がひと目で分かるコンディション。「スタンドの外側が少し剥がれてきてますけれど。」と教えてくれましたが、時間が経てばどうしても出てくる範囲のもので、何だかその剥がれも長年愛用の証。長く使用すればガタも出てくるもので、それが製品動作なのか音なのかはそれぞれに状況がありますが、F様のシステムにもそういった様子が出てきたようで徐々にシステムのリフレッシュを進めて頂きました。

昨年末にまずはプレーヤーから、候補の中から3機種に絞りフロアーでじっくり比較試聴され最も自身の好みに近いと思われた LUXMAN D-06u を導入。システムのどこかがリフレッシュされると色々な変化が出てくるようになり、気になっていたところがより分かりやすくなるもので、次はパワーアンプの入れ替えを検討頂きました。こちらは比較試聴ではなく「入れ替えるならコレ」というように機種が決まっていた Mclntosh MC302 へ、少し予定より早い入れ替えとなりました。それからスピーカー入れ換えまでは少し時間を置くという予定にしていたのですが、今後の為にという事で予め候補にしていたスピーカー3機種を比較試聴する事に。「次に入れ替えるとすればコレですね。」と、こちらも実際の試聴で自身の好みの感覚に最も近いスピーカーを心に決め、やはり暫く時間を置きます。

それから私の思っていたよりも早く電話を頂きまして「やっぱり、スピーカーを入れ替えようと思います。」と。あの時に試聴して決めた Tannoy Turnberry/GR から気持ちは変わらず、それでは早速ということでご納品となりました。専用スタンドに乗った Stirling とはサイズも然程変わりなく、少しスリムな様子でしょうか。「初めに交響曲はちょっとアレかな。。」と言われながらカラヤンとベルリンフィルのブラームス第一番を再生、力のあるオーケストラと今までには感じなかったような低音の響きがすぐに伝わってきます。それからCD再生でグールドのゴールドベルク変奏曲、スメタナのベートーヴェン四重奏10番など聴いて最後はレコードで同じグールドの盤に針を落とします。

数曲再生しながらお話をしていると、このスピーカーが今日来たように思えないくらい部屋の風景に馴染んでいるような気がしてきました。今までも Tannoy だからそうなのかも知れませんが、でもこの場所には Tannoy が似合うように長い時間をかけてつくられた雰囲気があるようです。馴染む場所があるというのはオーディオにとって最も素敵なこと。今までの音にひと区切りをつけて、これからの音をスタートされたF様、愛聴盤の数々を聴き直す忙しくも楽しい時間をゆっくりとお過ごし下さい。ありがとうございました。