DSF2019 Vol.1
スプリングフェスティバル初日の1回目、3Fでの試聴会は「PIEGA Master Line Source 2 & NAGRA HD PRE & AMP」での2時間を進行しました。2日間で4つの試聴会を開催しましたが、ひとつのシステム固定での再生は初日1回目のみでしたのでご参加頂いた皆様にもじっくりとお聴き頂けたのではないかと思います。追加でのお知らせ通り、dCS Bartok DAC と Rossini Transport をシステムに加えて再生ソース機器のバリエーションを増やした状態となりました。CD、SACD、NAS、レコードと現在再生できるソースをフル稼働してこのシステムから体験できる音の魅力を少しでも感じて頂ければという思いでした。
再生リストは今回9曲、左上から順に下へ進み右上に続くという流れです。
一曲づつ思い出しながら書くととても長くなるのでいくつかの感触を思い出してみます。今回は Vivaldi から2曲を選び再生のスタートとしました。四季だけではない魅力を持つ作品の中から調和の霊感、12の協奏曲集から第9番の2楽章をLINN KLIMAX LP12 (URIKA2)にてレコードでの再生。I Musici の63年録音はその後続く同曲録音の中で最も好きな録音です。ヴァイオリンとチェロなどそれぞれに目的のある番号が続く中、第9番はヴァイオリン独奏の為となっていまして演奏も非常にシンプル。11:00スタートの試聴会にはぴったりの演奏になったのではないかと思いながら、このシステムが奏でる静かで懐の深い優雅な時間が味わえたような気がします。Vivaldi の2曲目は歌曲、バルトリの同集2作目は1作目に続き大評判のようですね、歌劇ジュスティーノからクレジットされている一曲を KLIMAX DSM/2 でのCDリッピングデータ再生にて。PIEGA Master Line Source 2 の持つパフォーマンスの魅力がここに集約されていたような音を聴くことができたような気がしています。空間にフワッと浮かぶようなバルトリの声が柔らかいスポットを浴びたように輪郭を魅せてくれる様は、同じように聴かせてくれるシステムがあるのだろうかと思える程でした。かと思えばコッテリとしたジャズ、ブルーノートの Lou Donaldson / Blues Walk からのタイトル曲はレイ・バレットのコンガと共にブルージーでファンキーな下地に歌うアルト・サックスが渋味をさらに凝縮させて聴かせてくれた事にも期待以上の時間となりました。
モーツァルトのクラリネット協奏曲(K.622)は初めて聴いたシフリン(84年録音)のCDリッピングをKLIMAX DSM/2 にて第二楽章のアダージョを再生。それから様々な演奏家のクラリネット協奏曲を聴く事になりましたが、初めて聴いた時の圧倒されるような美しい旋律と響きの記憶が上書きされるような衝撃、壁一面が演奏で埋め尽くされるような世界。
いくつか曲を挟んで最後はバッハの管弦楽組曲第3番の序曲、カール・リヒターとミュンヘン・バッハ管弦楽団(60年録音、ARCHIV 2078 005)を LINN KLIMAX LP12 (URIKA 2) での再生。このシステムを試聴会用に企画した時から再生することを決めていました、今までも様々なシステムでこの演奏を再生し聴く機会がありましたが目の前の空間を支配するエネルギーと大らかさは今までで一番ではなかったかと思うような体験をしたように思います。
dCS Rossini Transport と Bartok DAC でのCDやSACD再生、Bartok DAC でのネットワーク再生も文句無しの音が聴けました、John Lennon / (Just Like) Starting Over のSACDシングルレイヤーでの再生の音が耳に残って試聴会終了後に何度も再生したほど。
記憶を辿りながら再生した曲を頭の中で巡らせているだけで心地良く、今はその状態で書いています。ご参加の皆様にもどこかの曲、時間で何かを見つけて頂けたのではないかと思います。
柴田
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