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Audio & Music

Jeff Rowland Continuum S2

Continuum と聞くと John Mayer のあの傑作アルバムが頭に浮かんで Gravity の甘いイントロが流れ出します。I Don’t Trust Myself も最高、この曲をサンプリングした Akua Naru / The World is Listning もまた最高、白地のレコードジャケットのデザインも秀逸。そんなこともあるのかどうか、Jeff Rowland の傑作プリメインアンプも前作 Continuum 500 の時から思い入れがあります。S2 へとアップグレードされてからも同様に意外とコンパクトなサイズのプリメインアンプとして静かにラインアップにクレジットされ続ける名品だと思っています。台風15号の去った月曜日、ニュースで流れる各所の被害や公共交通機関の状況など見ながら「今日はなかなか動けないかな」と思いながらお客様とも相談しつつ、少し落ち着いてきた頃を見計らってなんとか東名に乗り通行止めを避けて箱根へ向かいます。さすがに昨夜の台風もあって箱根周辺も静かなのかと思いきや海外からの観光客はそんなこと気にしている雰囲気もなく、今を楽しむ活力が溢れていて賑やかでした。そんなところをいくつか通り過ぎて芦ノ湖添いを走り、そこから少し山の方に登ると木々に囲まれた静かな傾斜地のお客様宅へ到着。忘れていたようにここでようやく深呼吸、「あぁ空気が美味しい。」と、思わず声に出ていました。

400W/ch(8Ω)というハイパワー、ノイズフロアーの低さ、これに連動するようにドライブ力も相まって再生された演奏が静かに力強く進んでいく様を圧倒的な表現で目の前に感じる事ができます。フロアーでも頻繁には試聴することが少ない製品なので、過去に試聴した感触を記憶の隅に残しているというケースはいくつもあります、今回の納品時の体験のようにその記憶が驚くほどの量でアップデートされる瞬間は嬉しいもので、こんなにも心地良い音が聴けるものなのか、と溜息が出るようでした。メインシステムとは別に寝室用として設置したシステムなので機器数は出来るだけ少なく設定する、となるとアンプは必然的にプリメインアンプに限定されます。メインルームには音楽も映画も最高に贅沢なサウンドで、JBL と Mclntosh を軸にしたシステムはその通りにどの瞬間でも圧倒的なサウンドで楽しませてくれます。そういったメインシステムがあるのでそれとはまた異なるアプローチの音を考え、スピーカーには Sonus faber Serafino Tradition を選び、再生機は CHORD Hugo TT2 にてPCからのデータ再生のみとしています。このシステムに、心臓部となる Continuum S2 は抜群の仕事をしてくれているようで、透明度の高い、伸びやかで響きの良い音をゆったりと聴かせてくれました。「これ、新品開けたばかりなのに、早速良い音してるよね。」とお客様からの感触もその通りだと、私も同じ気持ちでした。改めて Continuum S2 のパフォーマンスに驚きつつ聴き入ります。

2階の寝室にセットされた今回のシステムからはいつまでも心地良い音が流れていたのですが窓から眺める景色もまた最高なもので、芦ノ湖とそれを囲む山々、他の家も一切見えない自然のみの景色が窓枠一杯に絵のように広がります。この景色と音楽なら、この時間以外何も必要無いなと思えます。K様、今回も有難うございました。

一人作業をしている時は写真を撮るような時間がなかったり、今回のような素敵な景色を眺めているとそんなことも忘れてしまったり。。帰りに芦ノ湖のほとりで一枚だけでした。