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Audio & Music

AGS ANKH

Dyna Selection 2020 での使用製品の中では一番早く導入していたのが Acoustic Grove System の ANKH でした。この製品自体は数年前から販売を継続しているものなので既にご使用の方も多いかと思います、私のフロアーでも一部利用していましたが今回はフロアーメインシステムのスペースにまとめて導入し、環境設定の変化も合わせて確認してみたいと思ったのがきっかけでした。

AGS ANKH は日本音響のHPにも詳しく紹介もあり、また導入事例も豊富に掲載されていることから製品自体の特性や使用例などはそちらをご覧頂くのが一番掴みやすいかと思います。一台入れると続けて2台、3台と入れたくなるのが ANKH の特徴でありユーザーの皆様からの声ですが、その実力を改めて自身のフロアーで実感することにもなりました。

製品に付けられたネーミングの通り、森の中に立つイメージを想像してもらうと分かりやすいのです。木々に囲まれた自然の中に立つことは日常ではなかなか機会がないので、そのような場所に居ること自体で心が洗われるような状態になるのですが、風が吹き葉が揺れて枝がぶつかり合う音すらも耳に優しい感触を感じるのは多くの方が同じ経験をされていると思います。AGS はそのような環境をオーディオシステムのルームチューニングとして生かせるよう解析を繰り返し製品化し、すでに大きな評価を得ています。円柱を前面から後方へ徐々に太いサイズへ変化させランダムに設置する事で音響効果を生み出すもので、基本的には吸音ではなく拡散をメインに考え作られているのも特徴です。実際に生活する場には吸音素材は自然と多く存在しますので、チューニング材を過度に増やしていくと特定の周波数以外の音楽の旨味まで奪ってしまいます。特に相談の多い低域の膨らみやブーミーな音への対処などは吸音という方法が思い付きやすく変化の現れやすい手段ではありますが、音楽再生に必要なその旨味まで奪われてしまい非常に無味な再生音となるケースもままありますのでバランスをとる事が大切です。リスニング位置から椅子ひとつ後ろに下げる、または壁に近づく、といったように部屋の特定の箇所で再生音がガラッと変わるのはよくある事で、それらの経験をもとにリスニングポイントでの自身の最適解を求めていくのが時間のかかる作業であると同時に、この趣味の世界の最も楽しいことでもあります。

フロアーのメインスペースでは普段は QRD を使用しています。これも吸音と拡散をバランス良く調整できるルームチューニング製品として息の長いものですが、これらの設定もどちらかというと程よく響きの残る設定にしています。この設定で個人的には大きな不満はなかったのですが、今回 AGS ANKH と全て入れ替えてみて特に中音域の通りの良さ、低域の残り方や広がりには新たな発見がありました。アコースティックな響きに特に有用なのかと思いきや、機械的な打ち込みのベースやドラムなどのエッジが効いたタイトな表現も心地良さが倍増したように思います。1台導入すると2台、3台というのも気持ちが分かります。

今回の導入に合わせて実は AGS ANKH の新製品があり、その製品の導入と効果も検証できるというのが楽しみのひとつでした。正式な発表は間も無くありますのでまだ詳細をお知らせできませんが、上の画像には写っていると思います。AGS ANKH がこの組み合わせで設置できるとすれば、相当に環境設定の自由度を高める事ができると実感しています。そのお知らせはまた後日。

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電話:03-3253-5555 (担当:柴田)
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