
極上のサウンドが楽しめる空間。
2階のリビングにこんなにも素敵なオーディオがあるというのは、ちょっと言葉にならない喜びです。お話を聞くと1階には防音を備えたお部屋とオーディオがあり、そこにはフロアータイプのスピーカーも含めてしっかりとした別システムが設置してありました。それでも、そのシステムを考えてもこのリビングのオーディオは飛び抜けて素晴らしいものです。とっても可愛いくて元気なお子様がいらっしゃるご家族、皆様が過ごす時間の最も多い場所となれば、必然的にそこでの音楽再生も多くなります。
とは言え、リビングは様々な目的のあるスペースなので、なかなかオーディオに許される設置範囲は少ないものです。しかし、限られたスペースでも気持ちのこもったオーディオを準備し設置してあるこの場所を見て、なんだか久しぶりに興奮しました。生活の中に溶け込んだ音楽再生、でもそれぞれの機器には拘りがびっしり詰まっています。スペースに合わせたスピーカー、アンプ、プレーヤー選びが着地した Klimax DSM/3 と NAGRA 300p という組み合わせから BOENICKE Audio W5SE を鳴らすシステム。音を聴く前から、想像しただけで頬が緩むようです。入り口(ソース機器)は以前 Klimax DSM/3 ではありませんでしたが、SELEKT DSM Edition など新製品が続けて発表された頃に導入をご検討され、私のフロアーで開催しました試聴会にもご参加を頂きました。その試聴会でパフォーマンスの違いをはっきりご体験頂けたことが、ご検討のお役に立てた部分もあったかとは思います。今回はその Klimax DSM/3 をご納品させて頂きました。

設置が終わりいくつかの曲を再生して頂きましたが、どの再生もただただ静かに聴き入ってしまいました。こんな音が聴けるのかぁ。。。と、システムや環境が違えば当たり前のことなのに、改めてその体験をはっきりと感じることができました。優しくも厳しい音、懐深くどこまでも潜っていけそうな静けさ、そうかと思うと華やかに正確なリズムを刻む演奏を聴かせたりと、短い時間ではありましたがこの装置の無限の可能性を体験させて頂きました。お客様自身ヴァイオリンを弾かれているということで1階の防音室はその為の部屋だという事も分かりました、オーディオにとっても最高な環境である事に間違いはありませんが。
最後に再生頂いた Tchaikovsky, 6 Romances, Op. 6 : No. 6. None But the Lonely Heart (Nathan Milstein, Ezio Pinza, 1952, RCA Victor Studio) は、ご納品からしばらく経った今も頭の中で巡っている美しい時間の記憶です。
