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Audio & Music

長い期間、オーディオ業界の裏方として様々なスピーカーの設計に関わってきたカールハインツ・フィンク氏が立ち上げたブランドがFINK Team。それぞれのメーカーに沿ったコンセプトや音作りに合う設計を確実にかたちに残し続けてきた中で、自身の好みに合うスピーカーを作りたいと思う気持ちが強くなるのは当然のことかも知れません。自身以外の好みや要望に応えるほど、可能性の幅をより広く捉える事ができ、自分好みのスピーカーを作りたいと思った時にそれまでの仕事や経験がより一層強く反映されることも理解できます。個人的にはそれら細部に至る技術的な落とし込みを殆ど感じさせない、外観のPOPさに最も惹かれてしまいます。

その外観から見る優しさとは別に音響へのアプローチも徹底しているのですが、このデザインは部屋に佇んでいるイメージを非常にスムーズに行えるものだと思えました。こういうスピーカーで音楽を聴いてみたいと思わせてくれます。その気持ちにスムーズに応えてくれるように、再生した音もその通りに聴かせてくれます。目の前に現れる音のまとまりの良さ、安定感は2wayという構成にも生きています、更にオリジナル・パルプコーンがほとんどの帯域を受け持ちながら、聴覚が敏感に反応する帯域をオリジナルAMTユニットがカバーします。シンプルなユニット構成を保ちながらパフォーマンスの高さと目的をしっかりと見据えた素材選びや技術が落とし込まれていると良く分かる完成度。派手さはないものの、音楽に没頭できる自然な時間を満喫できるスピーカーと表現しても良いかも知れません。

11月の初旬くらいまで、少し時間をかけて様々な音楽を再生してその魅力がどこまで広がるのか、楽しみにしながらデモを行ってみようと思います。