情報

Audio & Music

40年もの間使用され最も象徴的な存在でもあったケブラーコーンからコンティニュアムコーンへと変更した B&W のサウンド、型式の末尾に D3 を付けて発表された当時の印象は今も強く残っています。その中の 800 Series Diamond では 805、804、803、802が同時に発売開始されましたが、フラッグシップモデル 800D3 はそれから少し時間を置いた後、最後に発表されました。長らくお付き合いを頂くお客様よりご相談を頂いたのはその頃、800D3 発売が間も無くの時期でした。その時すでに発売されていた 800D3 以外のモデルについては大変好評でしたが、フラッグシップモデルにはその新技術に更にテコ入れした内容となり発売されるという事が分かりました。その箇所は主にウーファーユニットとなり、磁気回路、センターキャップ、サスペンション、ダンパーなど新開発のユニットを800D3のみ更に改良されて発売されるとの事。スピーカーの低音域の表現に注目されていたお客様にとっては非常に興味を惹く内容であり、この情報も重なって 800D3 導入の流れとなった当時を思い出します。

それから何年か経過し、導入頂いた 800D3 も様々な音楽の再生と信号を受けて非常に素晴らしいスピーカーへ成長していました。時々、お客様のお宅へお邪魔させて頂くタイミングでその音を聴かせて頂くのですが、簡単な褒め言葉では説明出来ないくらい良く仕上がっていると感じました。ご自宅の場所が変更となった事も大きな変化かと思います。オーディオ再生の為の家、と言っても間違いでは無いくらいで、天井高のある広い空間が用意され、800D3 はその新たな環境に移動し今まで以上に伸び伸びと素晴らしいサウンドを聴かせてくれました。

その後 B&W D3 は D4 へ進化し、更に 805 と 801 には Signature モデルが発表されました。進化した D4 の仕様から Signature モデルは更に細かい箇所でアップデートを行い、それはユニット各部にも改良の手が入りました。これによりサウンド全体のアップデートが完了しています。800D3 を使用されていたお客様もこの 801D4 Signature への興味を強くお持ち頂きました。そして、いよいよ入れ替えのタイミング。エージングも完璧に終わり軽やかに再生を続けた 800D3 の場所には 801D4 Signature が設置され、ミッドナイトブルーが静かに佇んでいます。新品が開梱され設置されたばかりの音はどのスピーカーでも当然、よそよそしいものです。と同時に、未来の姿と音を想像し楽しみにもなるのです。今回はわがままをお願いして、800D3と801D4 Signature、入れ替え前と入れ替え後にどちらも試聴させて頂きました。贅沢な体験でしたが、貴重な時間と経験となりました。時間をかけしっかりと仕上がった 800D3 の音も文句なく素晴らしかったのですが、箱から開けたばかりの 801D4 Signature でバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番の第3楽章を再生した時の瑞々しさには少し戸惑うくらいでした。その後に再生したコルトレーン、クレッセントのワイズ・ワンの見事なこと。この音がスタートだとすると、数年後には一体どんな音で聴かせてくれるのでしょうか。お客様の探究心の強さにはいつもため息ばかりですが、今回もまた新しい音の世界がこの場所で出来上がるのだと思うと、楽しみで仕方ありません。