LINN LP12 アップグレードのご注文を頂きました入荷がまとめてあり、LP12 を引き上げてアップグレード作業、作業完了後にお戻しというスケジュールが続いていました。

ひとつは MAJIK LP12 に ortofon RS-212D トーンアームを合わせ組み上げたプレーヤー。長らくご愛用頂いた環境から新軸受けの Karousel と Lingo/4 電源へのアップグレード。新軸受けの Karousel について今となっては説明も不要となりましたが、回転精度と安定感はLP12動作の要となる箇所、気にするとしないとでは大きな差を生み出します。そして Majik Power Supply から Lingo/4 電源へ変更、回転速度の管理システムにデジタル信号処理技術を用いてターンテーブルの正確かつ安定した回転を実現します。今回、新軸受とLingo/4のアップグレードにより愛聴盤の再生がグッと落ち着いて背景が静かに聴こえるようになったという感想を頂きました。お客様の後ろで聴く私の感触もまさにその通り、ますますレコード再生時間が増える事と思います。

2件目は MAJIK LP12 SE からサブシャーシ、トーンアームのアップグレード。MAJIK LP12 SE は電源に Lingo/4 が組み込まれています。ここからのアップグレードに楽しく悩まれた結果、スタンダードサブシャーシからKoreへ、トーンアームを Krane から Arko へアップグレード頂きました。Karousel 仕様でもあるのですでにパフォーマンスは相当に高い状態です。それでもサブシャーシをKoreに入れ替え、トーンアームを Arko にする事で重心が低くなり、ピアノ独奏などは指先のタッチまで見えるようになります。実際にお届けした際のテスト再生では直ぐにその変化に気づいて頂いて、お部屋に並ぶ愛聴盤を改めて聴き直す作業がとても楽しみなご様子でした。

その他にも数件、LP12アップグレードをご納品しました。それほど大きく変化する事はないかも、と思われていた方が実際の再生でその変化に驚かれることが多くあります。私の作業としては引き上げたアップグレード前の状態で一度再生を行い、その後、アップグレード後の製品を再生しますので、お客様より先にアップグレード前後の変化を最も良く実感しています。その変化を聴く度にワクワクしてその後の作業が更に楽しくなるのですが、これだけは役得として今後も続けさせて頂きます。