
Ktema
Sonus faber IL Cremonese の再生期間を完了し、現在は Franco Serblin Ktema に入れ替えました。IL Cremonese の存在感ある悠々とした直線美から一転、曲線美を纏った Ktema に変わると同じ場所から眺める景色がこうも異なるものかと思います。

フロントバッフルは細く、その面に中高域ユニットを配します。ウーファーユニットは本体内背面に向いて2基設置され、フロントから美しい曲線が流れゆるやかにラウンドする背板には計算された左右のスリットが配置され、このスリットを利用して低域の調整を行なっています。決して大きくないこのサイズをして再生の音に驚かれる方が多く、その豊かな表現と歌うような心地良さを味わえるのは Franco Serblin の魔法が、ではなくそのユニット配置の仕組みやキャビネット構造の秘密であると思います。IL Cremonese が力強く下へ落ちる滝のような生命力を魅せるとすれば、Ktema はその流れを遡った先の静かに湧き出る源流を汲み取るような感触かも知れません。


Electa Amator に始まりスピーカーをつくり続けた職人最後の作品、この作品が生き続ける以上これからも音楽とともにその魔法をかけ続けてくれるのだと思います。
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