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Audio & Music

No.52

フロアーに新しく導入したプリアンプ、Mark Levinson No.52。先代 No.32L の後を継ぎ2013年より発売となったブランド最高峰のリファレンスプリアンプ。2シャーシセパレート、デュアルモノラル・フルバランス伝送構造を主に、リファレンスにふさわしい音を抱えてそのパフォーマンスを魅せ続けています。Mark Levinson に思う第一印象は、多くの方がそうであるように、その静けさの美しさではないでしょうか。それが尾を広げてどこかでは「冷たい」とさえ表現されるようになった程、ノイズフロアーの低さを実現し、目の前の無音から音が生まれてくる様子を静かにそしてごく自然に伝えてくれる表現力の高さは他に真似のできないものだと分かります。これは No.32L にも同様にあった AC regeneration circuitry を更に高品位に、交流を一度直流化し正弦波を入れノイズや歪みのない純度の高いACを取り出す電源供給回路を左右独立での配置、さらに信号処理のアナログ回路、コントロール回路も独立させ各シールドを行いノイズの混入を避けるといった徹底した処理によるもの。

その徹底したノイズに対する処理は内蔵フォノイコライザーにも大きく影響があり、「プレジション・フォノイコライザー・モジュール」と名付けられ本体内部で独立、シールドされた回路。RCA入力を即座にバランス伝送化しフルバランスオペレーションでの信号処理としています。これだけのクリーンな環境下で処理されるレコードの微小信号は本体自体が持つその静けさを最も強く音として表現するものだと感じる事ができます。コントロールアンプとして様々なソース機器と接続する環境下において外部からのノイズは避けられないものですが、これだけの電源、ノイズに対する処理、対策を講じている事がどれだけシステムに大きく影響してくるかは想像に容易いものです。音楽信号がこれだけ純度の高い状態でパワーアンプへ送り込まれスピーカーを駆動する先のその音には、否応無しに期待し興奮するものです。

「冷たい」と言われるほどのイメージは本当のところどうなんでしょうか。この圧倒的な静けさからはボリュームつまみを触るたびに音楽の持つ熱量が溢れるようです、声を出すと消されるような小音量再生でも音楽のバランスが見事に整えられ、いつしかその声をぐっと飲み込んでしまうほどきめ細やかな世界を魅せてくれます。聴き手の想像を遥かに超えた演奏を目の当たりにした際、その感想を「怖さ」や「厳しさ」と表現する事があるように、きっとこの圧倒的な静けさを表現する最高の褒め言葉として「冷たさ」とどこかで言われたならば、そんな表現もまた存在してよいのかも知れません。これだけの世界を魅せてくれるプリアンプは数多く存在するものではありません、実際に触りボリュームを上げ、出てくるその音にリファレンスとしての世界と圧倒的な存在感を否応なしに体感します。