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Audio & Music

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Vento Wall Panel

少し前になりますが、フロアーの一部に音響パネルを施行したというお知らせを差し上げました。詳細は追ってという事にしていましたが、気づけばかなり時間が経過していましてその後のお知らせが滞っていたように思います。

まずは導入動機。私のフロアーではルームチューニングは適度に設定したいというコンセプトがあります、やり過ぎないということ。さらにそれらの製品が前面に出過ぎない事も意識しています、計算されたルームチューニング材や製品でビッシリ囲まれたお部屋もそれは素晴らしいものですが、もう少し穏やかな環境で再生を行う場合、もちろんリビングなども含まれてきます。そういった環境に自身のわがままだけでチューニング材や製品を並べ始める訳にはいかないという方が多いはずです、ご来店の方にも実際にそういった方のほうが多いのです。それでも音楽を再生する環境は少しでも良くしてあげたい、音質を確保したいという気持ちは皆さん共通ですよね、もちろん私もそのひとり。導入後に効果が望める事は分かっていても、如何せん目立ち過ぎてしまう、複数導入すると更にそれが過度になる、そういったところで検討を足止めしている方に何かご提案できる製品はないのかと長い間考えていました。

ルームチューニング製品やオーディオボードなど細かいアクセサリーまで提案し、その製品にプラスアイデアと手間を詰め込んだ内容で製品開発を続ける Escart 、なかでも個人的にルームチューニング製品に関しては特に、そのアイデアと開発に抜きん出ていると思います。すでにラインナップされている各製品は手頃な価格設定のものから幅広くあり、それらがどれもしっかり使えて効果を出すものばかり。企画、製品開発を一手に行う Escat 代表者は自社ブランド立ち上げ前からこういった製品に長年関わり続けた方だからなのです。「一見すると壁のように見えると思いますよ。」と言われた音響パネルの発売を予定していると聞いた時に、迷わず導入を決めたのもそういう流れがあったからだと思います。部屋を過度に演出し過ぎない、それでも音質には拘りたい、私のような気持ちに近い方にはピッタリの音響パネルが発売されているのです。

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施行前の状態から。私のフロアーは長方形です、その部屋の中でメインシステムの場所があり、そこは部屋の中でも音響的に最も落ち着きが良い場所で長方形の短辺となるスペース、こういった部屋の形では基本的にそうなる事が多いと思います。音響パネルを施行したいのはそのメインスペースではなく、長方形の長辺にあたるスペース。メインスペースに比べスピーカー含め機器の設置も背面の壁と近く、音響としては少し低域に不満があると個人的に思っているのですが、このスペースが個人的に好きなんです。お勧めの1システムをシンプルにご紹介したいスペース、だから今よりもっと音響的な環境が整えられればと思っていました。

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まずは壁の前を全て片付けます。今の白壁になる前は違う色味の壁でしたが、修繕も兼ねて珪藻土塗料を自分たちで塗り、意外とうまくできたもんだと思ったのを思い出します。その白壁も今回でさようなら、この壁一面に Vento Wall Panel を敷き詰めたいと思います。音響パネルは床からの立ち上げなので巾木も取り、画像上の飾り木材も取り外し一面フラットな状態にして作業開始。

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Vento Wall Panel は吸音と拡散をバランスよく行える音響パネル。写真では分かりにくいですが中央に立てかけて準備しているのが高密度MDFに天然木の突き板仕上げ、前面にはスリット、背面に丸孔が施してあり計算された拡散効果を生み出す優れた仕上げになっている音響パネル、更にこの画像での壁にはすでに施行済状態ですが、吸音となるフェルトが壁一面に張り付いた状態です。吸音効果のフェルトと拡散効果の木のパネルが重なる事で Vento Wall Panel は完成し効果の全てが揃う事になります。

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パネル1枚の基本サイズは570:2400 (mm)、今回施行壁にはこれを7枚貼る事になりました。パネルの繋ぎ目も凝視しないと分からないくらい。想像していたよりも意外とスムーズな作業で進んでいきました、Escart & 施工業者さんの事前準備と息がピッタリなのも安心のひとつ。

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細かい箇所をチェックしてあっという間に施行完了、この音響パネルは厚さ21mmです。下地として貼り付けたフェルトと木のパネル合わせてこのサイズなんです、私がこの製品に惹かれた理由の最も大きな理由がここにあり、厚さ21mmという決して既存の部屋を圧迫しないサイズだからなのです。写真のようにパネルに施された表面のスリットも数メートル離れれば目立たず、一見すると壁のように見える、と言われた当初の言葉に間違いがないと思えます。フロアーの雰囲気に合わせて選んだホワイトアッシュのクリアー塗装、最終的な照明の色も想定して出来るだけナチュラルな色味にしたいという希望が叶い、非常に満足しています。施工前に私の希望を伝えるところから塗装サンプルの確認など、Escartさんは念入りに打ち合わせを行ってくれるので一切の不安がなく施工完了までスムーズな流れ。

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施行前のシステムと同じ状態に戻し、施行が進むにつれ待ちきれなかった再生の時間へ。とは言うものの、施行完了に近づいた時くらいから Escart & 施行業者さんと話をしている声の響きでその変化はあからさまに出ていることを感じていましたが。実際の再生を行なってみて、まずは全体の音がアレっと思うくらいスッキリしたこと。施工前でも大きな不満は無かったのですが、アンプやスピーカーを変更したという音の変化では無いオーディオ再生の基本環境における安定感が決定的に異なります。その音のバランスに驚き、ブーミーというかモヤモヤしていた低域の動きがスムーズになり、それによってマスクされていた中高域の抜けの良さがはっきり聴こえ、何よりこの場所で今まではこれ以上上げたくなかった音量があったのですが、それが何も気にせず上げていく事が出来るようになりました。デッドになり過ぎず、あくまで響きは心地良く、好きだったこのスペースがますます楽しくなってしまいました。やり過ぎると音の情報だけを見るようになってしまい、特にライブ録音などの再生は雑味も含めた雰囲気を失う事があります。今の環境はそういった懸念が一切無く邪魔なものが取り除かれた様子。

リスニングポジションで聴いていると本当にシンプルな壁に見えるのですが、これだけの効果を感じるとやはり不思議になってパネルにグッと近づいてみたり、そうするとスリットの細かさや背面に覗き見える丸孔の施し方など、計算された細工の細かさに見惚れてしまうようです。

今回私の施行は壁一面という設定でしたが、570:2400 (mm) サイズでの1枚単位をスポットで施行することも可能です。更にサイズをカスタマイズすることもできますので、皆様のお部屋ごとのアレンジは相当に自由度が高くなります。Escart HP にも製品詳細が掲載されています、天然木突き板仕上げは基本色を3色ご用意していますがこちらもお部屋の雰囲気に合わせて塗装の自由度が高くお部屋の雰囲気を崩さずご希望の色に仕上げることが可能です。新築、改築に合わせた施行段階でのご相談もお受けする事ができますので、施工業者様との専門的な話や確認もこちらで進行する事ができます。既存のスペースに施行をご検討の方も是非。

柴田

Vento Wall Panel
基本カラー:ホワイトアッシュ、ホワイトオーク、ウォールナット
基本サイズ:W570:H2400:D21 (フェルト含む)
¥142,000/1枚
ウォールナットのみ:¥158,000/1枚

※表示価格は税別とりなます

Escart HP:Vento Wall Panel

※施行費用、送料は別途となります。
※施行業者様との打ち合わせなど、お話の進捗によっても料金が発生する場合がございます。

お問い合わせ先
電話:03-3253-5555 (担当:柴田)
メール:柴田

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