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Audio & Music

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Seu Jorge & Rosê (Night Dreamer / 2020)

「シティ・オブ・ゴット」で記憶に残るマネ役を演じたセウ・ジョルジを追いかけていると数年後に「ライフ・アクアティック」で潜水艦の乗組員役で登場する。その映画の中で数曲、デヴィッド・ボウイの曲をポルトガル語で自身の演奏で歌っていて、その各シーンが印象に強く映画自体のストーリーは正直あまり覚えていません。それらの曲はそのままスタジオセッションとして後にアルバムとなり、これがまた映画のシーンからそのまま抜き出したようなシンプルアコースティックで素敵な仕上がりです。と思えば、大好きなロイ・エアーズのEverybody Loves the Sunshineをウキウキなアレンジでカバーした曲が入った Seu Jorge and Almaz も出てきたり、顔だけ見ると役者向きな狂気が滲み出ている雰囲気ですが、音楽の豊かさはそれ以上だと感じます。新作出ないかなぁとウロウロしているとウェイン・ショーターの Night Dreamer をそのままレーベル名にし、オランダのArtone Studioでライブ・ダイレクトカッティングで発売されたレコードを見つけてすぐに飛び付きました。VMS70を備えたヴィンテージ機器中心のArtone Studioはライブセッションスペースを隣接しそのままダイレクトカッティング可能なスタジオの仕様が面白い。ダイレクトカッティングの方が音が良いという事はなくて、むしろ相当に経験豊かなエンジニアが必要で更に準備とリハを念入りに行わないとまともな録音はできないと思う。それよりも、今回の盤のようにその場のノリや香りまで濃厚に聴かせる作品として仕上げるものとしては、緊張感もある種のアクシデントも含めてダイレクトカッティングが面白いのだと思います。少量生産で考えるとすでに世界的にもカッティングマシンを備えたスタジオが増えていて、このような個性ある盤が出てきています。それにしても、タイトルがエンボス加工のニクイ仕上げに収録曲まで、全部まるごと格好イイ!

 

newakurate Sheet1のコピー