911mk3
先月から Sonus faber Lilium を展示しています、その時からプリアンプには OCTAVE Jubilee Preamp、パワーアンプには Mclntosh の新製品 MC901 を組み合わせたシステムでした。Mclntosh MC901 は非常に興味深いパワーアンプとして、その音も合わせて頭の中にくっきりと印象を残しました。トランジスターと真空管でのバイアンプドライブを前提としたモノラルパワーアンプ、スピーカーのユニット各所に必要なパワーと音色をうまく当て込むことができるもので、これをとてつもないレベルで製品化していることが恐ろしくもあります。その恐ろしさは Lilium のウーファーをトランジスターが軽々とグリップする安定度抜群のパフォーマンスへ繋がり音量位置に関わらず一切ストレスのない再生を届けてくれることに驚き、それは再生曲を選ぶ毎に驚きが続くのですが、さらに真空管で味付けされる豊潤なミッドレンジからの声や弦の響きや音の名残りまで、音楽表現という美しさに溢れているものでした。各製品、システムとしてのパフォーマンスの高さをたっぷり味わうことにもなりましたが、ことパワーアンプに関しては、特に Lilium のドライブ方法に関してはバイアンプドライブという選択肢が非常に効果的なのではないかと思わせるようになりました。Mclntosh MC901 のデモ期間が終わりに近づき、次に Lilium に組み合わせるパワーアンプをどうしようかと考えているところにピッタリの製品が届くことになりました。
下手な味付けや色味の一切ないアンプとでも説明できるかもしれない Burmester の各製品はデザインを変更することなく作り続けるメーカー。この姿勢だけを見ても各製品への絶対的な自信を感じることにもなりますが、当然ながら使用する各パーツは見直しやアップグレードが施され常に最新かつ最高のパフォーマンスを味わえるようになっています。911mk3 をスピーカーに組み合わせて音を出した時、拍子抜けするくらいにあっさりと演奏がスピーカーの間に浮かんでくる感触を味わうことになります。それが大型のスピーカーであればある程その感触が大きくなり、このスピーカーはこんなに鳴りやすいものだっただろうか、と暫くして気づくのです。911mk3 が持つスピーカーユニットを強力に掴む力はそこだけをみても素晴らしいと感じるのですが、エッジの効き過ぎたものでもなく限りなくニュートラルな音色で耳に届けてくれる安心感を持っていると思います。
先ほどの話に戻って、Sonus faber Lilium をバイアンプドライブしたいと思っていたところにやってきた 911mk3 だったので、当然同機器を2台用意して頂きました。Burmester はオプションのケーブルを使用してモノブリッジ、バイアンプとして使用することができます。モノラルでの使用時は770W/ch(4Ω)となります。今回の目的から考えると、すでに単体としてダンピングファクターの非常に高いスペックを誇る製品なので、モノラル仕様とせずバイアンプドライブとして Lilium を鳴らすことの方がこのスピーカーが持つ特性や音色を十分に発揮できると思うので、Burmester 911mk3 を2台、バイアンプ仕様でのシステム組み合わせということにしました。
狙い通りと言えばいいのでしょうか、Burmester sound を存分に味わっているように思わせる透明度の高い音。微弱音からオーケストラのトゥッティまで、スピーカーの間に心地良いほど定位する安定感と再現力、これだけ存在感のあるスピーカーでもサイズが少しずつ小さく見えてくるようなサウンドステージは圧巻の一言。
OCTAVE Jubilee Preamp
¥4,100,000
Burmester 911 mk3
¥3,300,000 (1台)
Sonus faber Lilium
¥8,600,000 / pair
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