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Taurus

自社製ダイレクトドライブ方式のアナログターンテーブル、Taurus。以前も Bardo を何度か展示していましたが外観も含めて全く異なるデザインというよりはシャーシ部分が変更されているといった雰囲気が第一印象。それにしても、パッと見るとシンプルにデザインしてあるので想像しにくいかも知れませんがプラッターだけでも10kgあり、持ち上げると相当重いのです。それも含めてつくりや仕上げなど手に触って感じるもの作りの感触はやはりドイツ製であると納得できます。上位機種としてフラッグシップの Balance はプラッターも18kgと更に重量を増し全体では33kg、ベルトドライブ仕様のプレーヤーとなります。

プラッターに組み込まれているクリスタルガラス製のマットはトーンアームに付けたカートリッジの針先を確認できるくらい美しい。ゴムやフェルト、レザー素材など様々なレコードマットがありますが、Brinkmann のメリハリあるサウンドを下支えしているひとつの要因。合わせて専用スタビライザーで盤をしっかりと固定することができ、音質の確保と安定感、安心感も担保されることになります。自社のトーンアームもロング、ショートと用意されていますが他社製アームも範囲の中で搭載する事ができるので使用したいカートリッジや好みに合わせて構築する楽しさも十分にあります。

前回の Bardo で見ると起動スイッチや回転数の設定はプラッター下部の台座にツマミが装備されていましたが、今回の Taurus はリモコンのように別筐体から回転数などの操作をするところが楽しくもあります。これにより下部の台座にツマミなどのデザインが必要なくなり、より一層シンプルな佇まいとして出来上がっています。また、アームベースはもう一台追加する事ができダブルアーム仕様とすることができます、ダブルアーム仕様として構築しても全体のサイズとしてはそれほど気になる大きさにまで膨れることはありません。これもレコードサイズのプラッターをキャビネットとして考えるプレーヤーデザインの優位性ではないでしょうか。

冒頭に書いた通り、シンプルな見た目に添わない重量感や手触りから感じる硬質な感触とは裏腹に、非常にナチュラルな音を聴かせてくれます。上の写真に写っているレコードは Brinkmann が機材協力した録音ですが、Dan Hemmr のハモンドオルガンが心地良いほどにしっとり膨らみながら空間全体に充満していき、その中に Steve Gadd のドラムが少し乾いた雰囲気で絡んでいく様子は Brinkmann のサウンドイメージとしっかり重なるようです。