
New MAJIK LP12
そのままでも愛用を続けられる高いクオリティーを持つ LINN MAJIK LP12、その魅力的な価格設定を保つためにアームだけは他社ブランドを組み合わせています。それでもしっかりLINNからの要望を入れ込み、LP12の設計思想にマッチするようオリジナルを落とし込んでいます。MAJIK LP12 の初代アームはPro-Ject社製でした、この時代の販売期間が長いのでほとんどの MAJIK LP12 アームは Pro-Ject 仕様ではないでしょうか、数年前にアームがモデルチェンジしてJELCO社製となり、更に今回の新型トーンアーム Clearaudio社製となりました。Clearaudio社製のトーンアームは「KRANE」とネーミングされ、前世代2機種のブラックからシルバーとなりプレーヤー全体のイメージも大きく変わったような雰囲気です。Pro-Ject社製、JELCO社製共にヘッドシェルがトーンアームと一体型であるのは純正のLINNトーンアームと同様アームパイプとヘッドシェル固定の為の機構、ネジ留めなどの接点を極力排除したい設計思想からくるもの。新型 Clearaudio社製も同様なのですが Clearaudio社製トーンアームのヘッドシェルはカートリッジをトーンアーム先端に吊り下げるというイメージなのでスタンダードなヘッドシェルからは少し考え方が異なります。

この吊り下げ式でのカートリッジ設定はネジ留めが一箇所増える事や、スタンダードなヘッドシェルから見た場合に面でカートリッジを固定している雰囲気から考えると多少不安を覚える仕組みに見えてしまうのですが、実際に触ってみるとそれも全く気にならない範囲であると分かりました。更に踏み込めば、通常カートリッジがほぼ全てヘッドシェルとの2点留めである事に対し、LINN純正のカートリッジは同じく純正トーンアームとの組み合わせで3点留めとなります。通常のカートリッジ2点留めはトーンアームとカートリッジの組み合わせが無限に存在するため、またカートリッジの設置角度を含めた微調整可能な範囲を保つためにそのような仕様となります。LINN純正のトーンアームとカートリッジを組み合わせる場合、そのような微調整を行う必要がなく理想の一点に留める事ができるよう3点留めとなります。これによりカーリッジの設置角度まで含めた手作業設置による誤差すらも解消されます、長くなりましたが MAJIK LP12 の新型トーンアーム Clearaudio社製ヘッドシェルにも3点留めが準備されているのを見て、他社製トーンアームにも関わらずここまで作り込むのかと驚きました。(LINN純正カートリッジの3点留めはMCカートリッジのみ)

新型トーンアームが搭載されたのでモデルチェンジとして話題になっていますが、MAJIK LP12 の注目されるべき大きなポイントは新軸受「Karousel」が標準搭載されていること。これは先代トーンアームの時に新製品として発表されていたので、その時から MAJIK LP12 として価格変更なく新軸受が標準搭載されていたのです。Karousel のパフォーマンスは外観から分かりにくく一見地味に見えますが、精度を保った回転を保証する重要なアップグレード。これを MAJIK LP12 にも当たり前に搭載してくることだけでも驚きの内容です、個人的にはトーンアームの変更より Karousel が標準搭載されていることの方がどれくらい魅力が高い事かと思います。今回新型トーンアームとなり価格変更がありましたが、その価格変更を考えても Karousel 搭載のクオリティーはお釣りがくるくらいではないでしょうか。LINN LP12 のラインナップではエントリークラスと位置付けられていますが、これだけのアップグレードが落とし込まれた MAJIK LP12 はそれ単体として本当に素晴らしいレコードプレーヤーに仕上がっていると言えます。電源本体内蔵型の MAJIK LP12 を選ぶ理由が今まで以上に高くなったようです。

LINN MAJIK LP12
定価:¥520,000
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電話:03-3253-5555 (担当:柴田)
mail:柴田 (shibata@dynamicaudio.co.jp)