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LP12 Upgrade

新しいレコードプレーヤーに MAJIK LP12 を選んで頂いだのが10年くらい前のこと。それからはMMカートリッジ (ADIKT) を針交換しながら暫くご使用頂いて、数年後にフォノイコライザー UPHORIK を追加しその音質にも十分満足されていました。昨年夏頃にご連絡を頂いて、長く続けたお仕事もひと段落しこれからは自由な時間が増えることに。それならば大好きなレコード再生の時間をもっと楽しみたいという事で、愛用の MAJIK LP12 に更に磨きをかけるべくアップグレードを検討頂きました。

「内蔵電源はやめて、新しいLINGO/4にします。思い切ってアームも EKOS SE へ挑戦してみたい、と考えるとカートリッジも KANDID を使ってみたくなってきたのですが、今までと変化しますかね?」

「変化が起こり過ぎて、戸惑うと思いますよ。」

「イイですね〜、楽しみになってきました。底板を Trampolin に変更して、お勧めされた新しい軸受の Karousel も導入します。初めの予定ではこんなにアップグレードするとは思ってもいなかったのですでに戸惑っていますが、楽しみに待っています。」

「はい、バッチリ調整してお渡し致します。」

お電話ではもっと沢山の内容で各パーツの説明と変化の具合をお伝えし、その内容にひとつひとつワクワクしたお返事を頂きながら「最高のレコード再生時間」を迎えるべく準備を進めていきました。全てのパーツが入荷し MAJIK LP12 を引き上げて作業のスタート、今回ご注文のパーツで考えるとほぼ全てを解体しリフレッシュ & アップグレードを行う事になります。まずは10年間大きな故障も無く楽しませてくれた MAJIK LP12 に感謝しつつ、ひとつひとつパーツを外していきます。各パーツを取り付け、カートリッジの針圧まで設定した後に最後の大仕事 LP12 の要となる3点スプリング調整を行いますが、この時間がいつも楽しくて仕方ありません。どれだけ時間がかかっても最終的にここだと思える位置に着地した時は嬉しいのです。

お話を頂いたのは2020年夏でしたが気づけば2021年になり、春も近い頃になりました。ご相談頂いた時からご予定は少し先を見据えてのお話だったのですがそれでも実際にお話を始めると誰だって気持ちは膨らんでいくもの、ここまでの時間は待ち遠しくもあり楽しみでもあり、その様子が私にも伝わってくるようでした。

「大変お待たせしました、それでは今回アップグレードした箇所を順番にご説明しながら組み上げていきます。底板は Solid Base から Trampolin へ変更しました、今までは四隅にネジ留めした小さなゴム脚での設置でしたが Trampolin は4つの脚にサスペンション機能を持ちます、このサスペンション機能のお陰で・・・、ここが新軸受の Karousel です、軸受けとサブシャーシとの固定方法がロックナットになった事やカーボンコーティングされたスライスパッドがスピンドルの先端を・・」

「へぇ〜、新しい軸受も精度がすごく高いんですね。こうやって聞いていると頑張ってアップグレードして良かったと思います。しかしカートリッジの先、細いなぁ〜。」

「今までの ADIKT もそうだったんですよ、でも KANDID はカートリッジのデザインもあってカンチレバーがよく見えるんです、・・・という事で、全てのご説明が終わりましたので音、聴いてください。」

「では、聴いてみます。」

MAJIK LP12 を導入された当初はプリメインアンプにブックシェルフスピーカーというシステムでしたが、現在は訳あってヘッドフォンのみで聴く環境です。が、これが意外にも完全に一人の時間に浸れることを味わってしまったようで、スピーカーも再構築を予定されてはいるのですが今の環境も捨てがたく、継続中。最初のレコードは竹内まりや / REQUEST (30th Anniversary Edition)、A面1曲目「恋の嵐」を全て聴き終えて2曲目「OH NO, OH YES!」の中盤に差し掛かったところで思い出したようにヘッドフォンを外して、「これ、凄いですね。。(笑)、驚きました。こんな音で聴けるんですね。」と少し興奮気味に伝えてくれました。それから止まらなくなったのか、2枚ほどレコードを乗せ替えて聴かれていました。私も MAJIK LP12 を引き上げる際に聴いたヘッドフォンでの音、アップグレード後の音をヘッドフォンでどちらも聴きましたが、私は普段スピーカーでの再生音に慣れているせいかアップグレード後の音の変化をヘッドフォンで直接耳に届けられた感覚が新鮮かつ衝撃で、お客様と同じように完全に無言で聴き入ってしまいました。ヘッドフォンをして周りの音を断ち切った状態で聴く LP12 の音、どっぷり浸り過ぎてしまうようで怖いくらいですが、最高のレコード再生時間への着地としては大成功だったようです。10年経過したチェリーの PLINTH も何とも言えない良い雰囲気を醸し出していてとっても素敵でした。

O様、今回も本当に有り難うございました。

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