
お引っ越し。
長らくのお付き合いを頂いているお客様の引っ越しがあり、オーディオ機器の移動に微力ながらご協力を。と言っても、作業のほとんどは池田ピアノ運送さんが行いまして、私の微力は本当の意味で微力でした。。もともとのお住まいには各部屋に再生ができるシステムがあり機器数もなかなかのボリュームがある為、移設作業は私ひとりで進められるものではありません。事前に池田ピアノ運送さんと打ち合わせ、大小様々な製品や2階から搬出する重量製品も要確認、すでに綺麗に箱詰めされたレコードも数十箱、「可能ならこのあたりの家具もお願いできるかな。」ということでオーディオ機器プラス家具というボリュームで最終着地。分かってはいたものの実際の作業を見て驚いたのは池田ピアノ運送さんの仕事の美しさとスピード。それぞれの機器の扱い方を知っているということだけでも安心要素が大きいのですが、それらひとつひとつの梱包や搬出、積み込みの流れがスムーズかつ安全、そして早い。普段のご納品などで依頼する際は多くても3名体制ですがこの日は6名、2階建ての各部屋からオーディオ機器があれよあれよという間になくなり、レコード箱も家具も綺麗に積み込みが完了したのでした。搬出時はあいにくの雨の中でしたが、絶対に濡らさないという気配りも完璧。

翌日はご新居への搬入作業。搬出時は2tトラックに積み込んでいましたが、ご新居の玄関前で待っていると4tトラックが1台やってきました。昨日の搬出作業後に機器や荷物を余裕のある4tスペースに積み直したそうです、それだけでも大変な作業だなと思うのですが。玄関前に到着した4tトラックはこれもまたなかなかの大きさで、その荷室からどんどんと荷物が運び込まれていきます。昨日に続きその作業のスムーズさにうっとり。気が付けば4tトラックの荷室も空っぽになり、新築の香り一杯の部屋にオーディオ機器が次々と並んでいきます。昨日の雨もすっかり太陽が覗く晴天に変わり、窓からは心地良い日差しの差し込む中での作業。搬入ホヤホヤ取り敢えずの仮設置状態でまだまだ梱包されたままの機器だらけの状態で音も出ることはありませんでしたが、なんだかその様子を見ているだけでもワクワクしてくるというか、今度はこの場所でどんな音が聴けるのだろうかと。




いくつかあるシステムの中でもやはりここでの主役は B&W 800D3 。LINN KLIMAX DSM/3、LP12 system (Urika 2)、Costellation Audio Taurus mono で再生される 800D3 は私が持つ B&W へのイメージを大きく覆し、それはそれは魅惑的なサウンドを聴かせてくれます。新しい録音も古い録音も、その時の音楽そのものを魅せてくれるようで、再生が始まると一気に時間を超えて引き込まれていきます。それら全ての音楽に対応する懐の深い音とセッティング、道具は使い方次第という事をたっぷりと教わりました。それとは対照的にALTECやTANNOYを真空管で再生するシステムもあり、それに合わせたレコードプレーヤーも準備があります。あの頃、あの時代に思い入れのあったスピーカーで再生する音楽もまた、とっても良い雰囲気で聴けてしまう心地良い時間を過ごすことができます。もうすでに、この場所から離れたくないという気持ちが。。
オーディオ遍歴も私の知る限りだけでも膨大なものでした。そして今までたくさんの音楽を教えて頂きまして、それら全てが新鮮でした。聴かせて頂いたのは以前のお住まいのお部屋でしたから再生された音楽、音もその景色、あの時間という記憶で残っているのですが、これからは新しいお住まいで気持ちも新たに沢山の音楽が再生されることになると思うと楽しみでなりません。
搬入間もない状態で、実はこれから最も大変な作業が地味に続いて行くのですが、どうぞゆっくり進めて頂ければと思います。そして、また素敵な音楽が聴けることを楽しみにしています!