
Suite: April 2020 / Brad Mehldau (Nonesuch)
タイトルに日付が記されていることもあり、このアルバムに針を落とす度にその時を振り返る気持ちにもなります。それでも記憶というのは少しずつ薄れていくもので、日々上書きされていく興味深いニュースもあり、自分の頭の引き出しにはそれほどたくさんの出来事は保存できないのだと知る度に悲しくもなります。曲が進むにつれ楽しい嬉しい気持ちや哀しい事も憂鬱な時間も過去がどっと入り乱れてきますが、2年が経った今はあの時とはまた違った気分で聴いているような気がします。12の組曲が終わって最後の3曲はプレゼントのようなカバー曲。きっとあの時は自分が捉えている以上に気持ちが大きく揺れ動いていたからだと思うのですが New York State of Mind のイントロが聴こえてきた時は涙腺緩んでいたと思います。深夜にひとりで聴いていたからなのかお酒を飲んでいたからなのか、やはり記憶は薄れていくものですね。確かなことと言えば、40を超えてからはちょっとした出来事で崩壊するゆるゆるの涙腺になった事でしょうか。。。