
LP12 & SELEKT DSM、Klipsch HERESY IV
JBL 15インチウーファーのモニタースピーカーを完全に手懐けて軽快に鳴らしてしまう、羨ましいほどの楽しみ方をされている方でした。勿論、良く鳴っているスピーカーは世の中に幾つもあるはずですが、これ程使いこなしていると言えるのは少ないと思うのです。しかしそれもすでに過去の話。長い年月をそのオーディオと共に過ごしたが故の結末とも言うべきか、オーディオが佇む風景も音も以前の部屋に似合い過ぎていたからなのか、引っ越しという事態に全てが急速に変化することになるのでした。
新居にオーディオを移設、でもなにか様子がおかしい。新しい景色も出てくる音もよそよそしいのは引っ越したばかりだとしても、しばらく我慢してみたけれどやっぱりこれは違う。ここにはこのシステムではないのかも、どこからか囁く声が聞こえたのかもしれません。オーディオシステムの変更を相談頂いた時は「あの音が無くなってしまうのか」と、少し引き留めてしまったくらいでした。そんな余計な心配をよそにご本人は新しいシステム選びをスタート、とてもワクワクされていました。これだけは残すと決められた LP12 、しかし長い時間を費やして構築したオーディオシステムの全てをリセットするには多少の戸惑いもあったはずです。

初めてのネットワークプレーヤーの導入、音楽はもちろん映画も共に最良の音で、それらをリビングで楽しめるシンプルなシステムにするという狙いは、やはり楽しさ満点ズバリ的中したのでした。お客様は今までLINN製品を長年愛用してきたもののネットワークプレーヤーとは少し距離を置いてきた雰囲気もありました。がしかし、気持ちが切り替わると早いもので SELEKT DSM の選択は悩みなく最短距離での確定。アンプモジュールが追加されたバイアンプ仕様、ボディーブローのようにシステム全体にじわじわと効かせる音への仕込みも決して忘れてはいません。モノラルパワーアンプをスタック使用していた以前からすると、SELEKT DSM のモジュール式は嘘のようなコンパクトさを実現しています。

結果から言うとご本人「放心状態」とまで言わせるほどのワクワクシステムが出来上がってしまったようです。URIKAを搭載したLP12でのレコード再生では確かに、ソファーの後ろでPCに向き合って最終設定をしていた私も思わず首を伸ばしてソファ越しに音の鳴る方を覗いてしまったくらい素敵なものでした。ネットワーク再生も「こんな事ならもっと早いうちにやっておけばよかった」と。今までやってこなかったテレビとの共存も「これは相当に楽しくなる」と確信されていました。
新居にもオーディオルームを用意していたにも関わらず、リビングでのオーディオが完成することになりました。オーディオの無くなったオーディオルームは少し寂しそうにも見えましたが、新たな目的の部屋と化すのは時間の問題かと。とにかく、今回の決断の速さとシステム構想の素晴らしさにはただただ脱帽です。そして出来上がった新しいオーディオシステム、新しい再生方法や使い方、これからの毎日を想像するだけで楽しくなるようです。
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