
AKURATE LP12

Three Blind Mice と言えば好きな方からすれば「俺はあのアルバム」、「私はこの録音」と次々に出てくる人気レーベル。演奏もさることながら録音にも拘りを詰め込んだ作品はやはりオーディオ業界でもヒットしリマスタリングや高音質盤として販売され今も人気が衰えない。こういった音源は他にも良くある「何回めの再発なのだ。。。」と思うほどよく再発されるのですが、ファンならば発売のたびに小言を言いつつ買うのがお決まり(ですよね)。 CDは紙ジャケットで一斉に発売されたのが数年前、レコード盤は残念ながら全てのタイトルという訳にいかずやはりこのあたりという有名タイトルが再発されましたね。それも幾度か発売されているのですが、近いところでうる覚えの記憶では確かImpex Recordsからケビン・グレイがマスターを担当したということで45回転盤が3タイトル(6LP)のBOXにて発売、そのあと33回転盤も出たような気が。

そして今月もまた発売されました。今回はマスター盤プレッシングとなっています、レコードが私達の手元に届くまでにはいくつか工程があり、ラッカー盤、マスター盤、マザー盤、スタンパー盤と凹凸の繰り返しで最終販売用の盤が完成します。マスター盤プレッシングはマザー盤とスタンパー盤の工程を省きマスター盤から直接仕上げたもの、さてコピー工程が2つ省かれた盤の仕上がりはいかに。今回も限定生産のようです、興味を持った方はお早めにご購入を。
Franco Serblin Ktema をセッティングしてから、というよりその前の Sonus faber IL Cremonese をセットした時から弦楽四重奏や例えば Elisabeth Schwarzkopf の歌声にはまってしまいその辺りの楽曲再生が続いていたので、鈴木 勲の野太いウッドベースが聴こえることにちょっと新鮮さを感じています。私は個人的に Blue City なら4曲目、B面の最後、今回の45回転盤は2枚目の裏が全て Blue City、この曲に最外周の無音溝から針を落とせるのは嬉しいなぁ、なんて(笑)。Franco Serblin Ktema というスピーカーはその佇まいからして再生に得意とする音楽の方向が絞られているように思えますが、全くそんなことはなく、例えば先ほどの野太いウッドベース、Ktema の独特な構造である本体背面に搭載されたウーファー2基は反射用の背板と左右のスリットから力強くも名残りよく再現され、その質感には思わず息をのむようです。今回の盤、ケビン・グレイのImpex Records 盤より断然好み。レコードでもなんとか発売タイトルを増やしてくれないかな、と願うばかりです。
と、この話にはオチがあって、
届いた盤のうち「Misty」はそのタイトル曲、今回で言うと2枚組のA-1、45回転再生のはずが33回転にてプレスされてしまい、あえなく回収となりました。こういうのが、将来はレア盤になるのでしょうね。
