SELEKT DSM SA & KA
LINN SELEKT DSM はその名の通りユーザーが仕様を選べる&拡張性も持ち合わせます。基本的にはスタンダードDACモデルのプリ/ライン出力、パワーアンプ内蔵モデル、そしての両方に Katalyst DAC 仕様があり4種類のラインナップとして準備されています。LINN ネットワークプレーヤーの既存モデルも含めて考えると、SELEKT DSM スタンダードモデルのプリ/ライン出力モデルは MAJIK DS と AKURATE DS の間に位置し、プレーヤーとしては MAJIK、SELEKT、AKURATE、KLIMAX という順でラインナップを考える事ができます。SELEKT DSM はモジュール構造を採用しているのでスタンダードモデルのプリ/ライン出力モデルを購入された方でも将来的にパワーアンプモジュールを追加する事でプリメインアンプとしての仕様に変更も可能です。更に Katalyst DAC モデルが準備されているので悩ましいところですが、先に発売されている KLIMAX、AKURATE にて Katalyst DAC のサウンドパフォーマンスは実証済みです、更なる音質を求める方には間違いなくこちらでしょう。
先日、2日間という非常に短い期間でしたが、お客様のご要望とも重なり SELEKT DSM SA と KA 、パワーアンプ内蔵モデルのスタンダードとKatalyst DACモデルを比較再生する機会がありました。自身のフロアーで再生できるとなれば聴き慣れた環境での比較ができ、これはまたとないチャンス。まずはお客様用に試聴準備を整えますが、お客様の環境に近いスピーカーを準備する上でフロアーでも中心製品となった BOENICKE Audio W5 SE Plus ということになりました。これもまた嬉しいことで、SELEKT DSM が発売されてからは BOENICKE Audio W5 SE Plus の組み合わせでの音を聴きたいと想像していたところだったのです。
お客様ご来店にて2機種をじっくり比較再生して頂きます、スタートはスタンダードモデル。これでも十分過ぎる音が聴けて、お客様持参の音源を様々再生して頂きましたが少し後ろで聴いていたもののとにかく素晴らしい。当たり前の説明になりますが、この音が1筐体で再生されているとは思えません。お客様も「各曲録音の質の違いがここまではっきり出てくるとは思いませんでした」と驚かれていました。一通り楽曲を聴き終えた後、Katalyst DAC の SELEKT DSM を試聴しました。私は Katalyst DAC を毎日フロアーで聴いています、フロアーには KLIMAX DSM を常設しているので、Katalyst DAC 発表時もその前と後とでどれほどか比較再生を行いました。なので Katalyst DAC のパフォーマンスの素晴らしさは十分に分かっているはずなのですが、なんとも不思議なもので SELEKT DSM の1筐体から聴けるそのサウンドに改めて感心してしまいました。この時も少し後ろで聴いていましたが、SELEKT DSM (Katalyst DAC)とスピーカー2本のみ、しかもスピーカーは BOENICKE Auido W5 SE Plus なのでものすごくコンパクトな世界。これが驚くほどの再生を聴かせてくれて、お客様が再生する先ほどの各曲をただただ聴き続けるのみとなりました。
LINN は以前から1コンポーネント製品を発売し続けてきました。Classik Musik は大ヒットした製品となり今でもご愛用の方は多くいるはずです。それから再生方法がCDからデータ再生に移り変わってもその流れは変わることがなく、MAJIK DSM へと引き継がれています。シンプルにオーディオシステムを作り上げたいというお考えの方にいつでもフィットする製品をラインナップしてきたLINNならではの製品、今回はそのシリーズに新たに強力な製品が加わった事になります。
お客様の試聴が終了し、自身の試聴時間に移ろうと思った時からバタバタとしてきたので最終的に腰を据えての比較試聴はまた次回となりました。それでもいくつかの楽曲で比較再生は行いまして、その結果は先ほどのお客様の再生結果と全く同じ。ひとつ挙げるとすれば上の画像、SELEKT DSM のフロントパネルに表示されている Chu Berry / Warmin’ Up 、1940年前後の録音ですが、SELEKT DSM スタンダードモデルで再生した時には心なしか眠い音に聴こえていたのが Katalyst DAC モデルでの再生では頭の奥へ抜けるようにリズムを刻んで再生してくれた事が今回の試聴での大きな感触です。1コンポーネントでこんな音を聴かされたら、さすがにちょっと困っちゃいますね。レコードはこちら。
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