青森へ納品に。
数ヶ月前にお声がけ頂いたシステムのご相談、それから綿密に何度かのご連絡を繰り返しひとつのシステムが出来上がりました。
Player:LINN SELEKT DSM-KA
Pre amp:Burmester 035
Power amp:Burmester 036
Speakers:ESTELON YB
Cable:CHORD Signature XL SP Cable, Epic XLR & RCA
Speaker Board:Ilungo Custom Board
Rack:TAOC BSR-W Series
既存機器の使用も含めて新規導入機器が決まりました、その他、機器サイズを事前にお調べ頂いたF様が選んだラックは TAOCにて、ケーブル類は全てCHORDで統一、スピーカーボードは私からのご提案を受け入れて頂きましてイルンゴボードを特注でご用意する事になりました。機器のシステムアップを検討され始めた時、B&Wを筆頭にまずはいくつかの候補が挙がったようですが更に色々と探すうちに出会ったのが ESTELON YB。なかなか見ることも聴くこともできないこのスピーカーをオーディオショウで実際に見て聴いて、その独特なシルエットと密閉型という構造、その再生音に魅了されたようです。大黒柱となるスピーカーが決まればその次からは流れが出来上がるもので、その時のオーディオショウでも組み合わせていたかも知れない Burmester で確定。再生ソース機器はこちらも私からのご提案を快諾頂いて LINN SELEKT DSM、もちろん Katalyst DAC 仕様にて。頭の中で描くだけでも心地良くなるようなシステムが出来上がったと思いながら、近々別件で東京に来られるという事でフロアーにお越し頂ける事に。ならばという事で、実際に同じシステムを組み上げてご試聴頂ける環境をご用意して、その日はお時間の許す限りの再生とご納品の段取りなどをお話ししました。なにせ、私は青森初めてなので。
ご注文からお待たせしてしまいましたが製品の準備が全て完了しご納品日を決め、製品配送方法も段取りが決まり、私も青森空港からレンタカーでお客様宅へ。当日はあいにくの天候でしたが前日までに無事到着していた各製品を開梱しながら順に組み上げていきます。石井式で仕上げられたオーディオルームはセオリー通り天井高を確保し機器設置床面はコンクリート補強にて万全の構え、新規システムの設置場所や採寸もご準備頂きまして私も悩む事なく作業が出来ました。F様の事前準備が本当にありがたく、当初予定していた作業時間通りに進むという嬉しさと安心感。更に、全ての作業をお手伝い頂きました。
スムーズに進んだ設置作業、組み上がったシステムを正面から眺めた時に妙にしっくりくる感覚。これを感じる時に再生して悪い印象を感じた事がありません、開けたてのスピーカーからなんとも言えない伸びやかで広がりのある再生を聴く事ができました、これが密閉型のスピーカーから聴こえる音かなと思えるほど豊かな響き、それでいて部屋の調整も行き届いているのか無駄な溜まりのない低音が見事に目の前に流れていきます。今鳴っている音でこれほどなら、エージングが進むとどんな音に成長するのだろうかと、その時からすでに楽しみになるようでした。
さて、先ほどからスピーカーに写り込んでいる機体の断片、F様のオーディオ以外の趣味でもあるラジコン飛行機(というのが正しい表記か分かりませんが)、世界大会もあり演技規定なども設定され競い合う等々という興味深い話を聴きましてその世界に全くの素人な私でも壁に掛けられた大きな機体を眺めていると興味津々、この大きさが空を飛ぶのかと、聞きながらワクワクしていました。F様のオーディオルームはご自身の趣味で一杯ですが、お子様のピアノも弾けるようにアップライトが置いてあるところが優しいお父さんの一面を覗かせています。
話はあっちこっちへ飛びますが、昼食をご用意頂いた際のデザート、アップルパイの美味しいこと!、これまた不勉強でしたが藤崎町は「ふじ」のりんごの中心地、「このアップルパイはきっと世界一美味しいと思いますよ」というお話通り、お世辞抜きに結構ビックリするくらい美味しかったです。また食べたいなぁ。
さて、口の中にアップルパイの風味を残しつつ組み上がったシステムから音を聴きながら最終チェック。ESTELON YB のキャビネットデザインも含めて密閉型スピーカーのシビアな定位感を嫌味な雰囲気に感じる事なく基本的には大きく内に振らずのセッティングで当日は着地する事に。これもやはり部屋の環境が整っていることを自然と感じてしまうようでした。若干デットになりがちな石井式の環境も、機体がいくつか並べてあるからなのか、妙に心地良い響きが残り音の名残りが自然と繋がるような聴きごごちの良さとなっていました。母屋から隔離されたオーディオルームは遮音も施され、更にお住いの周辺環境を考えると音量の自由度は相当に高いはずです。こんな良い環境はどこにでも作れるものではありません。
雨が少しだけ休憩した隙をついて弘前城に立ち寄り。付近を散策しようと思ったらまた雨が。。。
オーディオのシステムアップに声を掛けてくれた事へ何をおいても大きな感謝しかございません。遠方からわざわざお越し頂いたり、なかなかすぐにお伺いすることの出来ない場所にも関わらずご相談を頂きまして、出来るだけ細かいやり取りを重ね完成したシステムは間違いのない最高の音を出してくれました。初めての青森がとびっきり良い記念になりました、これを機にまたお伺いできる事を願いつつ、今度はりんごの時期の寒い頃、それとも桜の季節かな、それともやっぱりねぶた祭りの頃でしょうか、などなど考えながらの帰路となりました。
F様、本当に有難うございました。
素敵な環境でステキな音楽をこれからも沢山お楽しみ下さい。
柴田
お問い合わせ先
電話:03-3253-5555 (担当:柴田)
メール:柴田 (shibata@dynamicaudio.co.jp)