
Solo / Paul Brändle
僕がレコードを買い始めた中学3年の時、最新の音楽情報はレコード屋の店主(おじさん)のみ。今思えばデタラメも入り混じった情報でしたが、そんな事はお構い無しに差し出される盤の全てが煌びやかでした。少ない中のお金をやりくりして少しだけ知恵がついたのでおじさんの言いなりにならないよう、気になる音楽専門誌をいくつか読んで予備知識を付けて「それは買わない」という返事ができた時には嬉しかったものです。でも色々、勉強させてもらいました。今や音楽との出会いは無数にあり、サブスクリプションを含めると無限と言ってもいいくらい。個人的なサブスク契約はロスレスで Tidal と Qobuz 、手軽なものでは Spotify Premium family を家族皆で楽しんでいます、その他では2008年頃に立ち上がった Bandcamp も頼りにしていて、アーティスト側が販売時に設定した金額を下限としてそれ以上は買う側の自由設定というやりとりが当時は新鮮でした。この広場はかなりローカルな人たちも音源を発表していて情報量は膨大ですが、その分発見と出会いが大いに期待できます。アルバムジャケットには自身のクレジットも含め表も裏にもタイトルも何も情報のない Paul Brändle のアルバムに最初に出会ったのもこの広場でした。
梅雨の今頃、傘を持って出かけようかどうしようか悩ましい雲行きに少しイライラしていたとするならば、むしろそんな曇り空の憂鬱な時間にこそ似合うと言うと褒めているのかどうか分かりませんが、最高のアルバムです。ドイツ、ミュンヘンで集まったジャズ・バンド Fazer のギタリストのソロアルバム、この Fazer の音源自体も素敵で同じくこんな日に聴くにはぴったりの仕上がりなのです。Fazer 含め彼の演奏は動画で見ることが出来ますが、いつもこんな雰囲気なんだろうなと思わせる演奏、こういうアルバムがステキな音で鳴るようにオーディオは磨いておきたいものです。
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