
AKURATE 212 & EXAKT system
現在の EXAKT system になる前は AKTIV 再生でした。マルチウェイスピーカーのユニットをアンプと直結して再生を行う LINN AKTIV システム。LINN AKTIV 再生は、チャンネルデバイダーを別途用意し各ユニット分のアンプも台数分用意して組み上げるものではなく、Linnの各スピーカー、ユニット専用に帯域分割の専用モジュールがあり、これを Linn アンプ内部に組み込むことで使用スピーカー専用のマルチチャンネルシステムが完成する仕組み。LINN にはサラウンドシステムにもコンパクトに対応できるマルチチャンネルアンプのラインアップがあり、このパワーアンプ内部に専用モジュールを組み込む事で AKTIV 再生が可能。チャンネルデバイダーやその接続に必要なマルチチャンネル分のケーブルが別途増えたりする事がありません。
アナログ伝送で行っていたそれまでの AKTIV システムだけでも十分に驚くほどのパフォーマンスを魅せていましたが、EXAKT システムが登場しデジタル処理を効果的に落とし込む事で格段に高い音質を楽しめるようになりました。純粋な EXAKT システムはスピーカーユニットの直前までほぼ全てがデジタル伝送ですが、過去のスピーカーでも EXAKT system が構築できることが LINN 製品の素晴らしいところです。
AKURATE 212 は当時非常に人気があり現在でもご使用の方が多いスピーカーでもあります、ブックシェルフサイズで4wayというユニット構成、マルチチャンネル再生を組み上げると大きく化けるスピーカー。スタンダードにシングル接続でも贅沢に鳴ってくれるスピーカーなのですが、EXAKT システム、デジタルクロスオーバー、Katalyst DAC でのマルチチャンネル信号処理を行なっての再生となるのですからその再生は別世界。それが LINN DS に EXAKTBOX-I を1台用意し、たったの2台で完成してしまうシンプルさ。10年以上前のスピーカーとは到底思えないフレッシュな再生を聴かせてくれます。

ラックの下段が EXAKTBOX-I、お手持ちの LINN DS 背面に Exakt Link が装備されていれば Exakt Link ケーブル1本で接続するのみです。この EXAKTBOX-I は8chありますので4wayの AKURATE 212 にはぴったりの組み合わせとなります、接続が終われば AKURATE 212 用のクロスオーバーネットワーク設定を EXAKTBOX-I にダウンロードし準備完了というシンプルさ。ここから更にスペースオプティマイゼーションなど設定していけば恐ろしいほど再生能力が上がっていきますが、その前に軽く再生しただけでも溜息が出てくるような静寂感、粒立ちと鮮度の高い音。データ再生だけにしようと思っていましたが、あまりに素晴らしいので追ってレコードも再生できるようにしようと思います。AKURATE 212 は過去に AKTIV 再生の試聴会を幾度となく開催していましたが、同じスピーカーで今度は EXAKT system として再生する音の世界。AKURATE 212 では AKTIV 再生が当時最高のパフォーマンスだと感じていましたが、EXAKT system への拡張性が用意されていると思うとまだまだ進化を楽しめるスピーカーとなります。

