
Ghibli の専用スタンドが新しくなりました
フロアーでもお勧めの逸品、イタリアメイドのスピーカー Chario Audio。フロアーではブックシェルフの Ghibli を選んで展示しています。イタリアンウォールナットを用いたキャビネットはその手触りだけでも手元に置いておく価値を感じさせてくれるものですが、スピーカーと言われればそのパフォーマンスの度合いを測らずにお勧めはできません。キャビネットの底面にバスレフポートを設けるスピーカーはあまり多くはありませんがこの Ghibli はその仕様、それまでの専用スタンドはその底面のバスレフポートを生かして低域を増強する仕組みを考慮して製作されていました。確かに、前作までの専用スタンドを使用するとブックシェルフサイズの低音域とは思えない量感を味わえる音場表現が可能となっていました。さて、地味なニュースではありましたが個人的に注目していた今回の専用スタンドの刷新、スピーカーキャビネットの底面バスレフポートからのウーファー背圧を抜くという構造を採用した専用スタンドという事が個人的にその注目でした。ブックシェルフスピーカーがどんなにアイデアや技術を駆使してもフロアーモデルスピーカーに絶対に勝てないところ、キャビネットサイズの制限から生まれる低域量感の不足。これを様々な方法で補おうとするのですが、前作のスタンドで取り入れた増強の手段を、今回はそれをあえて手放すことで完成させた表現力という今回の専用スタンドをあっさり気に入ってしまいました。

今回刷新された専用スタンドは随分と高さがあります(約82cm)。一般的なチェアーやソファーに腰を下ろして眺めるとスピーカー本体は目線より高い位置にあります。その風景を見るとちょっと違和感を持つのですが、Ghibli はユニット配置が通常とは異なりツィーターが下、ミッドウーファーが上という配置です。このユニット配置も含めて、またスタンドには天板が無いことで下方向へ音が抜け、再生すると自然と座った際の目線の位置までカバーしてくれます。以前のスタンドで聴いていた時の低域を増強する感触がなく、それでも不足が感じられないのは嬉しい結果です。


今回の新しい専用スタンドがデザイン優先なのか音質優先なのかは図りかねますが、結果としてスピーカーのパフォーマンスには良い結果をもたらしたと思います。ユニットが持つ長所をよりはっきりと聴かせてくれる感触を感じさせてくれると同時に音量を上げてもブーミーにならない音場表現、それでいて定位の良さ、抜けの良い聴かせ方など、スタンドのデザイン変更で手にした良き点の方が圧倒的に多いと思います。スピーカーがちょっと生まれ変わったと言っても良いくらい。
それでいて、この佇まいの美しさ。宙に浮いたように存在するスピーカーから聴こえる音楽の楽しさたるや絶品です。
どうせ手間を掛けるなら良い物作り。当たり前に聞こえる事も今の時代にはなかなか成立し得ないもの、同じものを大量につくり届けるというのも否定できないのですが、私たちが扱う製品にはおおよそそのような物づくりは見当たりません。Chario Audio はその筆頭となる製品ではないかと思います、作り手の気持ちがそのまま製品で感じられるモノづくり。しかも、音を出せばそのクオリティーを存分に味わう事ができる品質の高さときたら、やはりお勧めできる製品であることに変わりはありません。

飾らずシンプルに、再生する音楽だけが存在するような空間を魅せるスピーカーのひとつ。こんなシステムが家で待ってくれるなら雨の中の散歩も楽しくなるはずです。
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