情報

Audio & Music

Alexia Series 2

Wilson Audio のアイコン的存在となった WATT / Puppy のヒット作から System 5 〜 System 8 、そして 現在の Sasha へと正統進化を続けるその象徴的とも言えるサウンドデザインは、今では多くのオーディオファイルにブランドネームと姿形がスムーズに一致するところまで脈々と受け継がれています。そして今に至る Wilson Audio を唯一のものにしたのはやはりその再生パフォーマンスの魅力が重なり完成したものだと思えます。もうひとつ、David Wilson がつくり出した最大にして最後の作品が WAMM 、そこから Alexx が生まれ Alexia へと繋がっているとすれば、現在のラインアップとしては隣同士に並ぶ Alexia 2 と Sasha DAW にはそれぞれが持ち合わせたストーリーが少し異なります。そういった互いの系譜を勝手に想像しながらふたつのスピーカーを聴き比べるというのも、また興味深いものかも知れません。

キャビネットを鳴かせないというアプローチが顕著に見てとれるスピーカーは、今ではいくつか挙げられるメーカーがあります。Wilson Audio も長い歴史の当初からそのコンセプトが軸にあり、キャビネットの材質、強度に関しては最も時間を割いてきたところ。Alexia 2 のツィーターは密閉個室を用意され、更に個室となるミッドドライバーに前後、角度調整可能な状態で搭載されます。そのミッドドライバーもツィーター同様に角度、前後幅の調整範囲を設けています。キャビネットと同様に重要視している各ユニットのタイムアライメント、ユーザーにとって最適なものにする為の最終調整がこのスピーカーのもうひとつの大きな魅力であると言えます。ウーファードライバーを収めるキャビネットも先代とは異なり、フロントバッフルは緩やかに傾斜をかけていることが分かります。

相変わらず惚れ惚れするような造形をして、その重量もあることから移動やセッティングの微調整にもいちいち慎重かつ力の入る作業になりますが、その微調整のひとつづつを行いながら様々な角度から見える Alexia 2 の姿はどの瞬間も美しく見惚れてしまいます。これで音が出たらどうなるのだろうと。Sasha DAW よりは高さが200mmほど増えた事でリスニングポジションからは少し見上げるような角度になっているのですが、音像の位置やまとまり方は安心感があり目の前にふっと落ち着かせることができる状態になります。部屋のボリュームや好みの楽曲がそれぞれ異なるように、完成されたスピーカーの最後の味付けとして各ユニットの微調整を行い自分好みに仕上げる楽しみと感触は一度経験すると離れられません。

お問い合わせ先
phone:03-3253-5555 (担当:柴田)
mail:shibata@dynamicaudio.jp