
XB Diamond MkII
YB
ステレオサウンドグランプリ2022のグランプリを受賞したスピーカー、Estelon XB Diamond MK2 をフロアーで再生しています。Estelon は今から5年ほど前に国内販売が開始され、同時にエストニアでつくられる美しいスピーカーがあるという事を知りました。造形の美しさに秀でたスピーカーは他にもいくつか挙げる事ができますが、その中に違和感なくラインアップされるものとして、国内発売開始の第一弾となったモデル YB を見た瞬間にその感触を持ったことを覚えています。あまりに美しい姿をしていることで、こんなスピーカーをつくりだすエストニアという国はどこにあるのかとすぐに調べてしまったほど。国の名前は聞いた事がありますが、恥ずかしながらどこに位置するのかまで気にした事はなく、このスピーカーのお陰でその時初めてしっかりと認知する事ができました。大理石パウダーなどの複合素材を使用しダイキャスト製法で鋳造されたキャビネット、ベリリウムツイーターに密閉型というスペックからは一見して気難しそうに思わせるスピーカーでしたが、実機をフロアーに迎えて再生した瞬間にそれらの懸念は全て払拭され心地良さのみが目の前に溢れていました。密閉型でもこれくらい楽に再生できるスピーカーというのは少なく、ストレスのないサイズも合わせて貴重な存在です。YB というスピーカー自体の高いサウンドパフォーマンスを感じると共にその他のラインアップへも同時に強い興味を抱いた事も記憶に強く残っています。
Forza
その YB 発売から2年後、フラッグシップモデルとなる Forza が国内取扱いとなります。今度は流石にストレスのないサイズとまでは言えない雄大な存在感を持つキャビネットサイズでしたが、しかしながら不思議なことに音を出し再生を聴くと YB と同様の感触を覚える事になったのです。当然ながらそのキャビネットサイズに相応しい優雅なサウンドステージ。目を閉じて余計な情報を出来る限り遮断し目の前の音に没頭したい気持ちを強く抱かせます。そんなことを繰り返しながら様々な楽曲を再生している間に、そびえ立つようなサイズに感じたスピーカーの存在が段々と収まりの良い姿に変化をして、スピーカーの存在より再生中の音や演奏がしっかり主役に見える景色へと変わっていくのです。この再生パフォーマンスが Estelon の最も大きな特徴であり魅力なのだと、エントリークラスの YB、フラッグシップモデルの Forza、その両モデルで同様に確認できたことで確信できたのでした。
XB Diamond Mk2
Estelon のHPを見るとスピーカーラインアップは豊富に揃っていることを確認できます。という事はいずれその他のモデルも国内展開されるであろうと想像しながら楽しみにしていたところ、XB Diamond mk2 がその順番となったのです。その頃にはフラッグシップモデル Forza で手に入れた新たなアイデア、製法、素材が YB にも落とし込まれパフォーマンスを一新し YB Mk2 となっていました。そうなると XB Diamond Mk2 にも期待が大きく膨らむのは当然のながれでしょう。

YB Mk2 と Forza の中間に位置するモデルとなる XB Diamond Mk2、XB にも本国ではセラミックツィーター仕様がラインアップされていますが国内展開はダイアモンドツィータ仕様。まず嬉しいことに、高さは YB Mk2 と同じ1260mmであること。ミッド、ウーファーユニットも YB Mk2 とは大きくサイズ変更していませんが、XB にはミッド、ウーファー共にセラミックユニットが採用されています。アキュトン社製セラミックユニットのパフォーマンスを最大限に生かすキャビネットデザイン&サイズとなり、幅と奥行きはそれらに合わせて YB Mk2 より大きく設定されています。これによりそびえ立つような大きさやストレスは一切なく、かつボトムにかけてのゆとりあるデザインが独特な存在感を持つ魅力的な仕上がりとなっています。更に、YB mk2とForzaでは密閉型とした設定も XB Diamond mk2 ではウーファーユニット背面に設定されたバスレフポート仕様となります。密閉型ありきのキャビネット製作ではなかったのだと知ると同時に、バスレフ仕様を採用した Estelon のスピーカーが再生する音にも興味を強く惹かれてきます。採用するユニットや素材、キャビネット容量など複合的な判断から密閉型、バスレフ型のラインアップを展開するメーカーもさほど多くはなく、Estelon はひとつひとつのモデルに対してコンセプトがしっかり整っているのだと伝わってきます。



XB Diamond MK2 のサウンドパフォーマンスはこれからじっくりと聴き込んでみたいと思います。今回はプリアンプに Soulution 725、パワーアンプには 711 を準備し、スピーカーにとっては申し分のない環境を整えています。ソース機器には LINN KLIMAX DSM/3、KLIMAX LP12 SE ということで、再生にも万全の機器を用意しています。
このシステムでの再生期間は12月末までとなります、ご試聴の際は事前にご予約をお願い致します。
(試聴システムは変更となる可能性もございます)
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