
COAX 611 & 811
昨年末に発表されたフロアータイプのスピーカー PIEGA COAX 611 とその後に上位機種となる 811 が発売されたこともあり、短い期間ではありますがフロアーでこの2機種を順に再生してみました。
ブランド名の由来にもなるリボンツイーター、リボン型ドライバーは超高域再生を得意とする事は他のいくつかのスピーカーでも採用されていることで体験する事ができます。PIEGA はリボン型ドライバーを同軸ユニットとしてワイドレンジを受け持つよう設定されている事が大きな魅力のひとつ。このドライバーによる点音源再生の心地良さは実際に聴く事でより具体的に感じる事ができ、他にないパフォーマンスを確かめる事ができます。このリボン型ドライバーも幾度となくアップデートを重ねて今回の新製品にもその最新型が搭載されました。また、アルミキャビネットも内部強化のリブ構造がより強固なものとなり、ウーファーユニットの数に対して低域の量感が飽和してしまうのではないかという不安を一切持つことがなく、相当に安定したキレのある低域を聴くことができます。これはキャビネットを密閉型としている事もその安定した低域表現に繋がるものですが、611 では5基の160mmウーファーのうち3基をパッシブラジエーター、811では220mmウーファー4基のうち2基をパッシブラジエーターとして機能するよう設定してあり、密閉型キャビネット構造と単純に言えない低域の独特な伸びやかさと残響を楽しむことができます。長時間の再生を続けたり、音量を上げ下げする場面でも余計な音の膨らみや重なりにストレスを感じることもありません。




611 は160mmウーファーサイズとなり見た目にも扱いやすいサイズと言えます。しかし、音を出せば空間表現も見事でサイズオーバーな素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれます。811 はウーファーサイズも220mmとなりキャビネットも大きくなりますが、さすがに低域も611より更に深いところまで聴かせてくれる魅力はこのサイズでしか味わえないものです。どちらのサイズでも低域ばかりではなく、ブランドの看板となる同軸リボン型ドライバーの厚みある中域と高域表現が聴くほどに美しく、深く沈み込む低域とのバランスを見事に調和させていることを感じます。サランネットを装着することで外観は非常にシンプルな佇まいとなり、再生する音だけに集中できることもこのスピーカーの魅力です。

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