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Audio & Music

255mk2R & 711mk3

Dyna Selection 2020 でのアンプ選びに加えた FM Acoutics は今回の目玉のひとつ。アンプとひと口に言っても例えば、300Bシングルの音を聴くとなると現代最新のアンプと比べて駆動力の高さだとか低域の足りなさ云々を言う事はナンセンスで適切なスピーカーを選ぶことが第一にあり、そこはかとなく存在する中高域の心地良さと存在感、派手さを求めず自然と佇むような音を求めていきたいもの。Linn Exakt System のように各ユニットの左右誤差修正から位相管理まで徹底したデジタル管理の環境から生み出される乱れのない音、一瞬背中がゾクっとするような静寂を味わう事ができるのはこのシステムのみに存在する表現力。Soulution のように電源部を極度に作り込んだ圧倒的な制動力、現代のつくり込みの高い所謂鳴らし難いと言われるスピーカをいとも簡単に鳴らしてしまう恐ろしさ、反応の早さと底の深さが組み合わせる様々なスピーカーから否応なく見えてくるような世界。手間をかけてつくるアンプになればなるほど特徴があり個性が際立つようになり、それが手に入れたい衝動に繋がっていくものです。

FM Acoustics の音をはっきり記憶したのは JBL DD66000 とのシステムが組まれていた時、音が出始めて然程も経たないうちにあのダブルウーファーの大きなキャビネットがどんどん小さく見えるようになってきたことに唖然としました。もちろん、目の前の音のサイズは全く変わらないまま視界が更に開けていく感覚は今までに味わったことのない体験でした。数曲聴くうちにそういう不意の感触にも落ち着いた頃、このアンプの世界を自分なりに理解する事が出来たと思います。緻密につくり込まれたプリアンプは重量から解放され片手で持てるほど。その代わりに使用部品は3桁ほどの数の中からほんのいくつかのみ厳選して、残りは使わない。入力段からICを使わず完全ディスクリート回路である事もその他の細部に渡る徹底した拘りから見れば当たり前のことだと思わされます。その他の文字で得られる情報はメーカーHPにしっかり読む事が出来ますが、それらを全部一旦となりに置いて実際に聴いてみるのがこの製品を最も知る良い方法だと思います。

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